このブログを始めてから疑問に思う。
エッセイとは何だろう。
日本語では随筆とも呼ぶ。ものごとを徒然なるままに日暮らし硯に向かって書くもののこと?
小説の場合、ストーリーがある。
ショートショートも超短編”小説”だから、やはりストーリーがある。
では、ストーリーがあるもの=小説となるのだろうか。
また、エッセイは小説に入るのだろうか。
新たな疑問が湧いてくる。
エッセイがストーリー性を持ったら小説になるのだろうか。あるいは、作品のジャンル名は自己申告制なのかもしれない。
小説の場合をもう一度考えてみると、体を成しているかという観点がありそうに思う。
登場人物の視点で文章が綴られていく形式は、小説の体裁の特徴な気がする。
なかには、私小説として、筆者視点のみで描かれるものもあるけれど。
一方で、エッセイの場合は筆者自身の視点で書かれることがほぼ100%だと思う。
たまに、ペットなどの動物の視点で描かれているものもエッセイに近いような気がしてしまう(「うちの飼い主さまにも困ったものだにゃー」系の作品)。
エッセイとは
ここで、エッセイについてGoogleさんに聞いてみる。
検索すると、デジタル大辞泉でエッセイについて出てきた。
エッセイ(エッセー)
1 自由な形式で意見・感想などを述べた散文。随筆。随想。
2 特定の主題について述べる試論。小論文。論説。
[類語]随筆・随想・小品・小文・小品文・身辺雑記・漫文・漫筆・スケッチ
デジタル大辞泉によると、基本的には筆者による意見、感想ということになるらしい。場合によっては、それが試論、小論文、論説と呼ばれることもあるらしい。
デジタル大辞泉
他にもエッセイ自体、エッセイの書き方等について書かれている本やサイトはたくさんあるので、きっとそれらを読むのが正解なんだと思うけれど、それらは一旦横においておく。
小説とエッセイの違い
次に、“小説 エッセイ 違い”をネットで調べてみると
「小説はフィクションで、エッセイはノンフィクション」というあまり面白くない回答が返ってくる。
シンプルだけれど、いまいちしっくりこなかった。事実を元にした小説の位置どりが気になってしまう。
一方で、面白い記事と出会った。
作家の保坂和志さんが著書『地鳴き、小鳥みたいな』に関連して、現代新書のウェブサイト上で「小説とエッセイの違いは何か~答えは「小説らしさ」という形ではない」という記事を書いている。
この記事から一部を抜粋する。
言葉というのはまったく特定しがたいもので、つきあいが深くなればなるほど、楽譜みたいに人それぞれの中で違った音を奏ではじめる。そういう、言葉が持っている複雑で多層的な性質が思いっきり発揮されるのが小説だ。
小説は思いを整理して伝えるという行儀いいものではない。小説には何か本質的に読解を拒む、通約不能でアナーキーなものが息づいていなければならない。そしてそれこそが、人生そのもの、長く生きてきた人間とその内奥そのものだ。
(本書の)どの短篇もたいていの人は「これは小説でなく、エッセイじゃないか」と思うかもしれない。しかしこれらは紛れもなく小説なのは、どの短篇も私は私の書き方を押し通したからだ。大げさに言えば、私は私の人生の時間を賭けて何かを文字として外にあらわそうとした。
小説かそうでないかを決めるのは「小説らしさ」という形ではない。その何かというのは、文字が意味を伝える行儀よさを壊して、文字から肉声が聞こえるようにしてはじめて伝わる何かで、それが何であるかは読んで感じてもらうしかない。
保坂さんの文章から、小説を書く人の気概を感じる。
”私の人生の時間を賭けて何かを文字として外にあらわそうとした”というのは、まさしく言うは易し行うは難しだと思う。
エッセイにはこういった気概のようなものは必要ないのだろうか。
エッセイも個人的な日記と違って、人に読んでもらう前提で書くものだろう。
人に読んでもらう以上は、自分の時間を使って何かを外にあらわそうとするのは大切だと思う。
専業作家でない人にとって、自身の労働時間、人生の時間をすべて執筆活動に充てるのは難しい。
世の作家さんたちがあれだけ面白い文章を書いているのは努力と才能あってこそだ、と当たり前のことを感じる。
(今の時点での)結論
エッセイは筆者による意見、感想を文章にしたもの。
小説には”なにかを届ける”必要があるが、それはエッセイにも言えることかもしれない。
まとめ
エッセイについての考えをしっかりとまとめるにはもう少し知る必要がありそうだ。
さまざまな本を読むのも、いろんな人が語る「エッセイの書き方」を読む(聞く)のも面白いかもしれない。
「エッセイとは何か」(ピエール グロード (著), ジャン フランソワ ルエット (著), 下澤 和義 (翻訳))
今のところそこまではせず、まずはひたすら書いていくことにする。
ブログを書くのをいい加減でいいやとは思わないけれど、とても素晴らしい文章を書ける気はしない。
それでも人に読んでもらう以上、ほんの少しでも努力して文章を作っていくのが良いんだろうな。
肩の力を入れすぎず、読んでくれた人が何かしらを受け取れるようななにかを書けたら嬉しい。
今回の記事はまさにエッセイらしい内容かもしれない。
おしまい
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