今回は、沖縄在住の私が注目している、2025年夏公開の沖縄が舞台の映画を3つ紹介します。
①木の上の軍隊(6/13沖縄先行公開7/25全国公開)

沖縄県伊江島での実話を基に描かれた、作家・井上ひさし原案の傑作舞台を映画化。主演は堤真一さんと山田裕貴さんです。
井上ひさしさんの作品といえば、「ひょっこりひょうたん島」や「父と暮せば」など有名な作品が沢山ありますが、個人的には蜷川幸雄さんが演出した舞台「天保十二年のシェイクスピア」を学生の時に映像で見て圧倒されたのを思い出します。
井上先生が注目した「ガジュマルの樹上で2人の日本兵が生き延びた」という“希望の話”を下敷きに作られた作品の映画化なので、面白いこと間違いなしだと思います。
作品の根底に流れているのは「平和」ということで、戦後80年の節目の2025年に公開されるのに相応しいですね。全編沖縄ロケ、伊江島で実際に生い茂るガジュマルの樹上で撮影を敢行したそうです。実際の沖縄の風景を通して、平和に思いを馳せてはいかがでしょう。
②風のマジム(9/5沖縄先行公開9/12全国公開)

原作は原田マハさんの小説「風のマジム」です。
主演を務めるのは今をときめく実力派の伊藤沙莉さん。
今からおよそ20年ほど前に、沖縄で沖縄産アグリコール・ラム(ラム酒)を初めて作った女性をモデルにしたお話です。原作の感想などはこちらの記事で書いています。
沖縄県糸満市が撮影現場として使われました。ストーリー内の舞台は南大東島ですが、糸満も沖縄の自然の残る土地なので、どのような風景が映し出されるか楽しみですね。また、もう一つのキープレイスである桜坂劇場は登場するんでしょうか。
そして、映画を観た後は、やっぱり沖縄ラムを飲みたくなるはず!
原作はこちら
③宝島(9/19公開)

原作は2018年に第160回直木賞を受賞した真藤順丈による小説「宝島」です。
メインキャストには妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太が並びます。
1952年、沖縄がアメリカだった時代。コザの街(現在の沖縄市コザ)にいた“戦果アギヤー”と呼ばれる(米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える)若者たちの物語。
原作小説を夢中で読んだ時、決して昔の話とは言えない、現在にも直接繋がる沖縄、そして、日本の話だと思いました。映画を見たら、沖縄について考えたり、より知りたくなったりすること間違いなしです。
原作はこちら
まとめ
今回は、沖縄在住の私が注目する、2025年夏公開の沖縄が舞台の映画を3つ紹介しました。
いずれも沖縄を描いた作品で、ウチナーンチュ(沖縄の人)にも、県内外に住む沖縄好きにもヒットする作品だと思います。また、作品を見た方が沖縄をより好きになったり、興味を持ったりしたら良いなと思っています。
余談ですが、昨年2024年に『月ぬ走いや、馬ぬ走い』で、第67回群像新人文学賞を受賞した豊永浩平さんは「沖縄のことを書くと戦争のことを書かざるを得ない」と語っていました。今回紹介した『木の上の軍隊』はまさに戦時中〜戦後の話ですし、『宝島』はアメリカ統治下の話です。いずれも現在の沖縄につながる大切なメッセージを発信しています。私自身も作品を通して、色々と考えていこうと思います。
おしまい

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